三月下旬の10日間ほど、カナリア諸島に行ってまいりました。
カナリア諸島にあるテネリフェ島で開催されるカナリア諸島のワインのアンバサダーの研修を受けるためです。
まずは恒例の位置確認から。今回はセビーリャ(セビリア)空港から飛行機で移動。およそ2時間の空の旅です。こうして改めてみると、アフリカのすぐ隣であることがよくわかります。日本から行くとなると、距離的にも(心理的にも)かなり遠く、まさか自分がカナリア諸島に行くとは思っていなかったのでとても感慨深い旅でした。
きっかけはシェリーの勉強を通して、よく『カナリーサック』という言葉を見かけていました。カナリア諸島の甘口のワインのことをイギリス人の文学者たちが時折そのように記載していたからです。シェリーのことは『サック』と記載されていることが多いようです。「その違いは何ぞや?」では、「カナリア諸島のワインってどんなもの?」などと考えていたら、こちらのコースへの参加のお話をいただいたのです。
こちらの研修は5日間テネリフェ島で開催されました。朝から晩までぎっちり予定の入ったスペイン流の研修です。さらにカナリア諸島には11の原産地呼称があるので、それぞれの地域の講義と座学、ワイナリー訪問、カナリア諸島産のオリーブオイルとチーズの研修に、試験(!)と盛沢山でした。
連日のハードスケジュールとスペイン語での講義のために、晩御飯のあたりには眠気との戦いでしたが、一緒に研修を受けた仲間のおかげで何とかパスすることができました。
「トモコ、今の話分かった?スペイン人の私でも、あの講師のきついアクセントは分かりづらいから、説明しようか?」とか、「トモコ、このワイン用語のここにはティルレ(アクセント記号)がつくよ」などなど、私のことを気遣って色々と教えてくれて本当にありがたかったです。また、今回の研修ではいつもより英語を話す人が多かったので、「英語でのワイン用語はこうだけど、スペイン語では何?」という質問もできてとても良かったです。
ヘレスにはワイン学校はないので、テイスティング用語をはじめとするスペイン語でのワイン用語の勉強は独学するしかないのでこれもまた助かりました。
ヘレスに住んでいると口にするお酒がどうしても酒精強化ワインに偏りがちなので、こちらの研修参加させていただいて、100種類ほどのスティルワインをテイスティングできたことはとても貴重な経験でした。
カナリア諸島は原産地呼称の多さが物語るように、気候や土壌が多様性に富んでいます。今回の研修を受けただけでは到底知識が足りないので、機会を見つけてはワインの勉強をしにカナリア諸島にまたぜひ行きたいと思っています。
カナリー・ワイン・アンバサダーの認定証。下のロゴとサインをご覧いただけると沢山のD.O.(原産地)があることがわかります。
最終日には認定証と履修証明書の授与式が。参加者みんなで盛り上がりました!