コロナ禍で中止となっていた、数々の恒例イベントが再開し始めています。
先週は『第10回 私設史料館とワインのカンファレンス(X JORNADAS ARCHIVOS PRIVADOS Y VINO)』が開催されました。
この学会はスペインの様々な地域のワイナリーが所有している史料館の方々が、どのような取り組みをしているのか、どんな歴史的な資料が残っているのかなどを共有するというのが主たる目的です。
今回はヘレスはもちろんの事、カタルーニャ、リオハ、ポルトガルの史料館の方々も参加。
その他にマルコ・デ・ヘレス(ヘレス地域)における今後の史料館の取り組みなどの発表もありました。
特に私にとって興味深かったのが、かつてエル・プエルト・デ・サンタ・マリア(El Puerto de Santa María)にあった、ボデガ、クビージョ・イ・シア(Cuvillo y Cia.)の資料を全て救出し、確認、史料としてまとめる作業をした方のプレゼンテーションです。
ボデガ・クビ―ジョは、かつてサングレ・イ・トラバハデーロ(Sangre y Trabajadero)というオロロソのソレラシステムを所有していたボデガです。
(現在はグティエレス・コロシア Gutiérrez Colosiaが所有。)
シェリー酒においては、こうやって企業の統廃合に伴いソレラシステムが他のボデガに譲渡されることがよくあるので、歴史を知るということは非常に重要なことです。
また、ゴンザレス・ビアスの史料館のハビエルさんも20世紀初頭の資料を交えながらどのようにゴンザレス・ビアスが発展してきたかを説明。
同社は1835年創業。
ボデガス・トラディシオンの史料館のマヌエルさんは1650年からの資料を交えながら、シェリーのビジネスを通してみた世界史の話にも言及。(ボデガス・トラディシオンは1998年創業ですが、オーナーのリベロ家はヘレスでワイン造りを1650年からしており、その資料が現代まで途切れることなく保存されています。)
非常に内容の濃い素晴らしい学会でした。
スペインでは4月から確定診断者数の公式発表などはしない方針となりました。しかしながら、アンダルシア州では4月のセビーリャの春祭りを皮切りに各自治体のお祭り、そしてロシオの巡礼などで感染者が増えているのは間違いありません。また、同時にインフルエンザも流行しています。
引き続き感染対策を十分にして、こういった学会などには参加してきたいと思います。