12月11日（土）にシェリー原産地呼称統制委員会にて『チョコレートとシェリーのマリアージュ』の講習会が開催されました。
チョコレートはETHIQUABLEというフェアトレードやエコロジーに力を入れている企業のチョコレートシェリー酒のマリアージュです。
もしこのテーマにご興味のある方は、毎年バレンタインデーが近くなるとアクセス数が伸びる『チョコレートとシェリーのペアリングの記事』もどうぞ。
今回のテイスティングアイテムは、シェリーとブランデーが用意されました。
- フィノ
- アモンティリャード
- パロ・コルタド
- クリーム
- シェリーブランデー（ソレラ・グラン・レセルバ-平均熟成年数10年以上）
シェリーとブランデーは、左からフィノ、アモンティリャード、パロ・コルタド、ミディアム、シェリーブランデー（ソレラ・グラン・レセルバ）
残念ながらこの会に使われたチョコレートは、日本では販売されていないようです。
英語版になりますが、商品の詳細、パッケージやリンクは見つけられたものはなるべく掲載しました。もしこのマリアージュを試したい方は、似たようなカカオの比率や、原材料が使われているのをお求めください。
今回のテイスティングでは時間の都合もあり、シェリー原産地呼称統制員会の数々のイベントでナビゲーターを務めるペペ・フェレールさんのおすすめのマリアージュを試していきました。
それぞれのチョコレートに2つか3つのシェリーないしはブランデーを合わせるというものです。もちろん、この組み合わせは、ペペさんのおすすめのペアリングです。
①ダーク・グラン・クリュ・エスメラルダス 98％ エクアドル産 DARK GRAND CRU ESMERALDAS 98% ECUADOR
①合わせたもの：アモンティリャード、クリーム、ブランデー
カカオ分が80％を超えると、かなりビターで苦手な方もおられるかと思います。また、カカオ特有の酸味も強く感じられます。カカオの香りと酸味を上手に使ったマリアージュです。
②ダーク・グラン・クリュ ンブリンボ 74％ アイボリー・コースト産（コートジボワール）
DARK GRAND CRU M'BRIMBO 74% IVORY COAST
②合わせたもの：フィノ、クリーム
こちらはカカオ分74％。先ほどの98％のものと比べるとだいぶマイルドになります。しかし、カカオの香りも楽しめます。クリームはもちろんよく合いますが、フィノが意外や意外とよく合います。
③ダーク・チョコレート・カフェ・アーモンド（ペルー産とハイチ産 各50％）
DARK CHOCOLATE COFFEE ALMOND - PERU - HAITI
③合わせたもの：フィノ、アモンティリャード、ブランデー
カカオ分50％のチョコレートにコーヒーとアーモンドが入っていて、とても薫り高く感じます。アーモンドのようなナッツ系の香りを持ち合わせたアモンティリャード、ブランデーにはもちろんよく合います。これもまたフィノとの相性が面白かったです。
④ダーク・チョコレート・クリスタライズド・ジンジャー ペルー産とハイチ産のカカオ各50％ずつ
④合わせたもの：アモンティリャード、クリーム
この『クリスタライズド・ジンジャー（砂糖で煮たショウガ）』が鮮烈な風味をもたらします。アモンティリャードとクリーム、両方とも会うのですが、私はクリームがとても好みでした。冬にぴったりな味わいです。
⑤ダーク・チョコレート、バオバブ、レモン、ジンジャー入り ペルー産カカオ使用 DARK CHOCOLATE, BAOBAB, LEMON, GINGER - PERU 該当画像、リンクなし
合わせたもの：フィノ、パロ・コルタド、シェリー・ブランデー（ソレラ・グラン・レセルバ）
バオバブ、アフリカでよくみられる大きな木です。こちらの実のパウダーを使ったものだそうです。これはビタミンCの含有量がレモンの3倍ほどあり、グレープフルーツに似た味わいだそうです。とてもさわやかな風味のチョコレートです。これは、フィノを合わせるとアフターにレモンの風味が強く出ます。パロ・コルタドとブランデーを合わせるとジンジャーの風味が同じくアフターに強く出ます。
⑥ダーク・チョコレート、カムカム、アセロラ、オレンジ入り ペルー産カカオ使用 DARK CHOCOLATE, CAMUCAMU, ACEROLA, ORANGE - PERU 該当画像、リンクなし
合わせたもの：フィノ、パロ・コルタド、クリーム
アセロラは日本でもジュースが販売されていたで、ご存知の方も多いと思います。カムカムは南米アマゾンで育つフルーツだそうです。見た目は真っ赤で小さな梅のような、サクランボのような形です。ビタミンCの含有量はフルーツの中でトップクラスだそうです。アセロラもレモンよりもかなりビタミンC含有量が多いようなので、まさにビタミンC宝庫のようなチョコレートです。
さすがペペ・フェレールさんのチョイスとあって、どれもよく合います。私は特にこのチョコレートとクリームのマリアージュが大好きです。まさにマーマレードの風味がふわっと広がります。
⑦ダーク・チョコレート・オレンジ・ゼスト・ペルー・ハイチDARK CHOCOLATE ORANGE ZEST - PERU - HAITI
⑦合わせたもの：フィノ、アモンティリャード、パロ・コルタド
最後のマリアージュ。私は一番このチョコレートと選出されたシェリーのマリアージュがいいと思いました。フィノと合わせるとオレンジピールの風味が強く出ます。アモンティリャードとは、カカオ風味が引き立ちます。パロ・コルタドには中にはオレンジピールのニュアンスがあるものがあるので、合わないわけがありません。
いかがでしたか？バレンタインデーに向けて、今年も様々なチョコレートが販売されるかと思います。スペインでは見ることができないようなメーカーのチョコレートも沢山出回るので、羨ましい限りです。
この記事がシェリー酒やシェリー・ブランデーとチョコレートを楽しむひと時のお役にたてれば幸いです。
