1886年創業の老舗、ボデガス・カジェタノ・デル・ピノ(Bodegas Cayetano del Pino)から新製品のリリースの記者会見にご招待いただきました。
私の記憶が正しければ、同社のシェリーは日本には2013年にバル・デ・オジャリアの渡邊さんが日本へ初めて輸入されました。(銘柄:パロ・コルタド・スペリオール1/10 Palo Cortado Superior 1/10)
それからじわじわと日本のシェリー・ラバーの間で人気が高まり、その後2017年にはボデガス・ルスタウ(Bodegas Lustau)と提携し、同社のアルマセ二スタ・シリーズの一つとして販売が開始。
(銘柄:ルスタウ アルマセ二スタ・シリーズ カジェタノ・デル・ピノ パロ・コルタド・デ・ヘレス 1/22 Bodegas LUSTAU ALMAENISTA Cayetano del Pino y Cía, Palo Cortado de Jerez 1/22)
そのクォリティーの高さから、あっという間に世界中に有名になりました。
ただ、このボデガは冒頭にも書いた通り1886年創業の非常に歴史のあるボデガで、ゴンザレス・ビアス、ペドロ・ドメック(現:フンダドール)と並び、アルフォンソ13世国王陛下のご訪問先候補に選ばれたり、19世紀まだ当時電話が発明されて間もない頃に、電話が引かれるなどそれはそれは大きなボデガでした。
現在は経営規模は小さくなり、アルカサルの近くのボデガで造っているのはアモンティリャードとパロ・コルタドのみです。
カジェタノ・デル・ピノのオフィス横のスペース。同社の古い看板やポスターが飾られています。この感じが非常にヘレスらしさを感じさせます。いつもはたいていこの辺りでボデガ犬のボンゴ君が日向ぼっこをしていますが、この日は記者会見で人が多いのでお留守番をしているそうです。
記者会見での写真。(写真撮影時のみマスクを外しています。)
中央が新社長のテレサ・デル・ピノさん。テレサさんから向かって左がヘラルドさん。ボデガに行ったことがある方にとってはおなじみです。
新製品はパロ・コルタドVORS(平均熟成30年以上のシェリーに与えられる熟成年数表示)。500ml、ボデガでの販売価格は85€。実際の平均熟成年数はおよそ40年。
エチケットは同社の古いコレクションから復刻させたそうです。最近はモダンなで新製品をリリースするボデガが多い中、同社は一貫して伝統的なデザインを採用しています。
こちらのボデガのシェリーは全てにおいて柔らかく、エレガントですが、こちらもその特徴と長期熟成による深みがあり、マスク越しからも分かるほど素晴らしい香りでした。
今年は150本のみのリリースで、来年はもう少し増えるかも知れないけれど、それほど多くはボトリング出来ないそうです。
もうすでに100本以上が売れていて、残りはごく僅かとのこと。(4/12追記)
残念ながらこちらの商品は日本への輸出の予定は現在はありません。
来年にはアモンティリャードVORSを発売したいとのこと。まだ生産本数などは未定だそうですが、とても楽しみです。
以下はインターナショナル・シェリー・ウィーク2019のためにヘラルドさんから一言いただいたときの映像。
もし日本でカジェタノ・デル・ピノのシェリーを飲む機会がありましたら、ぜひヘラルドさんの顔を思い出して味わっていただければと思います。