VINOBLE へレス Jerez

VINOBLEセミナーレポート ゴンザレス・ビアス 「液体の遺産(Reliquias Líquidas)」

2018-06-20

VINOBLEのセミナーのレポート。
今日は、ゴンザレス・ビアスのマスター・ブレンダーのアントニオ・フローレス氏の「液体の遺産(Reliquias Líquidas)」です。

こちらのセミナーですが、開始からわずか30分もたたずにチケットがソールドアウトしてしまったので、急遽ゴンザレス・ビアス社のテイスティングルームでインターネット中継をしたという、今回開催のVINOBLEで一番のプラチナチケットです。
運よくこのプラチナチケットを手に入れることができたので、レポートします!


インスタには写真が三枚添付されています。インスタの写真部分をクリックすると、他の写真も見ることができます。

今回のテイスティングアイテムは9種類。黒字で記載してあるものがラ・ソレラ・レゼルバーダ(LA SOLERA RESERVADA)から、そして黒字のものがビノス・フィニートス(VINOS FINITOS)です。
このラ・ソレラ・レゼルバーダは2017年の春に発表されたもので、200名のメンバーのみが購入することができる貴重なワインのシリーズです。ボトルは全部で21本セットで、下記のテイスティングアイテム(黒字)のほかに、ビネガーが含まれます。(ビネガーのみハーフボトル)そのセットの販売価格が、1,980ユーロ(税金、輸送料込)の高級品です。
Pio X Moscatel 1903 は数量限定で120本のみリリースされ、スペインではたったの4本が販売。価格は1,800ユーロ。

1. Fino Almendroso La Solera Reservada
(アルコール度数15%、平均熟成4年)
ティオペペのトキワガシの樽で構成されたソレラからのもの。92樽。非常に古い樽を使用。ゴンザレス・ビアス家で飲まれているもの。

2.   Fino Añada 2010
(アルコール度数15%、熟成7年)
シングルビンテージ。2010年は例年に比べて非常に涼しい年だった。酸が高くフレッシュ。

3.   Fino Añada 2011
(アルコール度数16%、熟成8年)
シングルビンテージ。2011年は雨が非常に少ない年で例年の半分程度の降雨量であった。2010年のフィノよりもよりボディが感じられる。

4.   Amontillado Solera Reservada
(アルコール度数19%、平均熟成40年以上)
ウィズダム&ウォルターのソレラからのもの。素晴らしい芳香、エレガント、ナッツ、長い余韻。

5.   Palo Cortado Solera Reservada
(アルコール度数21%、平均熟成20年)
非常にエレガント。フレッシュで、クリーン。かつスムース。とても長い余韻。

6.   Oloroso Solera Reservada
(アルコール度数21%、平均熟成40年)
フルボディ、エレガント。とても長い余韻。

7.   Alfonso 1/6
(アルコール度数21%、平均熟成40年)

たった6樽のみでしか熟成されていないとても貴重なシリーズ。ボディがあり、力強いが酸味が感じられる。エレガント。長い余韻。

8.   Dulce Palomino Solera Reservada
(アルコール度数16%、熟成31年、アニャーダによる熟成)
とても軽やか。深い色味。残糖分280g/l。

9.   Pio X Moscatel 1903
(アルコール度数9%、熟成115年)
こちらはインスタグラムの3枚目の写真にある通り、熟成年数が115年で貴重なものなのでスポイトでの提供。フィロキセラ以前に作られてぶどうで作られたワイン。おそらく1860年代と思われる。ブドウ品種はモスカテル・メヌード・ブランコ(Moscatel Menudo Blanco)。ヘレスにおけるフィロキセラ禍の後はこの品種ではなく、モスカテル・ゴルド・ブランコ(Moscatel Gordo Blanco) もしくはモスカテル・デ・アレハンドリア (Moscatel de Alejandría)が植えられる。この樽は1903年に教皇ピウス10世にささげられたもの。700リットルのトネルの中に残っていた90リットルからボトリングされた。漆黒といっても差し支えのない深みのある黒。バランスが素晴らしくよく、スムース。因みに酒精強化されていないので技術面からはシェリー酒とは名乗れないとのこと。

7のAlfonso 1/6と10のPio X Moscatel 1903 は運よく見つけられたら購入することはできますが、Pio X Moscatel 1903はとにかく流通量が少ないので、ヘレスでもなかなか手に入れるのは難しいです。また、Alfonso 1/6も流通会社もあまり在庫を持っていないようなので、これも非常に貴重な一品です。(実は私はリリースされたときに大慌てで複数本おさえましたが、大正解でした!)
このセミナーの告知が出たときはテイスティングアイテムは公表されておらず、テーマだけのお知らせでしたが、さすがヘレス最大手だけあって、VINOBLEに合わせて貴重なアイテムが勢ぞろい。そして、マスター・ブレンダーのアントニオ・フローレス氏の分かりやすく、そしてカリスマ性のあるプレゼンに会場の全員がひきつけられる素晴らしい会でした。

 

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木村 友胡(Tomoko Kimura)

シェリー酒に魅せられて2015年よりスペイン アンダルシア州へレス・デ・ラ・フロンテラに移住。 シェリー原産地呼称統制委員会公認シェリー・エデュケーター。 シェリーブランデー原産地呼称統制委員会公認シェリーブランデー・エデュケーター。 スペインワインおよび食品のエージェント、プロモーション。 スペイン語、英語の通訳・翻訳 お仕事のご依頼、お問合せは随時受け付けております。 旅行、食べ歩き、写真を撮りながらの街歩きが趣味。

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