コロナウィルスの感染拡大を受け、普段はあまり除菌グッズを使わない(そもそも日本のように販売されていない)スペインでも消毒用アルコールの売り切れが3月初めごろから目立ち始めました。
ヘレスも御多分にもれず同じ状況だったのですが、シェリー酒のボデガでは『酒精強化用のアルコールがあるからいざとなったらそれを使おうかな?』などと話をしていました。
非常警戒宣言発令から6日目。
アメリカやイギリスのウィスキーやジンなどの蒸留所が消毒用アルコールの製造に踏み切ったニュースが業界紙の紙面に掲載され始め、スペインのカスティーリャ・ラ・マンチャの都市、トメリョソ(トメジョソ)の蒸留酒の向上が消毒用のアルコールを製造し始めたというニュースがテレビで放映されました。
それを受けて、私もこんなツイートをしていました。
最近コロナウィルスの感染でニュースに出ていたカスティーリャ・ラ・マンチャのトメリョソ(トメジョソ)は、それこそシェリーブランデーをはじめとする原酒や、スピリッツ用のアルコールを大量生産している地域なのでそこがフル稼働すれば除菌用アルコールの生産がかなりできるのではないかしら?
— ふーやん (@Fu_yan) March 19, 2020
シェリー酒のボデガもトメリョソの蒸留所から酒精強化用もしくはブランデー用のアルコールを購入していますし、ゴンザレス・ビアス、フンダドール、オズボルネの3社はトメリョソに自社の蒸留所を所有しています。設備はあるので、届出などの条件がそろえばいつでも作れるのでは…と思っていました。
シェリー酒を作る際に酒精強化といって、ブドウで造られたアルコールを製造途中で添加する。これは96%程度の度数があるので、もし作ろうと思えば除菌アルコールジェルなんかも作れるはず。
今後そういう動きが出るのかしら?— ふーやん (@Fu_yan) March 19, 2020
とツイートした翌日、ゴンザレス・ビアスのマスターブレンダー、アントニオ・フローレンスさんが、ゴンザレス・ビアスが手指用の除菌アルコールの製造をスペイン政府のために提供するとのプレスリリースが発表されました。
やはり動きだしました!
ゴンザレス・ビアスが医療用のアルコールの製造を政府のためにすることに。
チンチョン、ヘレス、トメジョソの生産拠点を使うとのこと。
Gracias y ánimo @bodegastiopepe !! https://t.co/9XwUzJO749— ふーやん (@Fu_yan) March 19, 2020
ゴンザレス・ビアスではマドリードの近くのチンチョン(アニス酒の名産地)で、その原材料を作るために蒸留施設を保有しています。
確定診断者数(感染者)の多いマドリードからも近いので、輸送にも時間がかからないしのでここで生産できるのは非常に心強いでしょう。
トメリョソの蒸留設備は言わずもがなで、大規模です。そして、ヘレスのボデガにもポットスティルがあります。
この世界的な危機にヘレスの企業が貢献することをとても誇りに思うと同時に、この大変な時期に生産、流通にあたる全ての人がどうか無事であってほしいと心から祈っています。
ソース: ゴンザレス・ビアス公式ウェブサイト(スペイン語版)
ゴンザレス・ビアス公式ウェブサイト(英語版)