今年は新型コロナウィルスのパンデミックのため、各種イベントがキャンセルされています。ヘレスの12月の風物詩、サンボンバ(Zambomba)も例外ではありません。
サンボンバというのは12月のクリスマスまでに町中の色々な場所で人々がクリスマスソングを歌って、楽しむイベントです。
ヘレスではそこにフラメンコのブレリアというタイプの踊りが入るためとても独特だと言われています。
例年開催されているサンボンバは以下のような感じで開催されています。道でも開催されますし、ボデガやイベント会場などで開催されることもあります。
一つ共通点があるとすると、密!そして飛沫が飛びまくりの状態です。
今日は昔を懐かしむ形でサンボンバのビデオをいくつかこちらでシェアしたいと思います。
ただ、このブログはシェリー酒がとても大事なテーマなので、ボデガで開催されたものをチョイスしました。
上は1993年にゴンザレス・ビアスで開催されたサンボンバ。歌っているのはヘレスの偉大なカンタオーラ(歌い手)、パケラ・デ・ヘレス(Paquera de Jerez)。2002年に筑紫哲也さんの番組に出たことでも有名な方です。
上は2015年にルスタウで開催されたサンボンバ。会の最後の様子で歌っているのがカンタオーラのマーラ・レイ(Mara Rey)、踊っているのがバイラオーラ(踊り手)のサラ・バラス(Sara Baras)。世界的なバイラオーラが踊ったことで大変な騒ぎとなりました。
以上の二つのサンボンバに関しては、招待制で開催されたものだと思われます。(中には予約なしでも参加できるタイプのものもありますが、ボデガで開催されるのはだいたいクローズドのイベントだと思っていいでしょう。)
上は2018年12月1日にボデガス・フンダドールで開催されたサンボンバ。この老いも若きも踊るスタイルは私にとってはヘレスらしさを感じます。また、お客様のほうを見るとタパスや煮込み料理のようなものを食べているのが見えます。これもまたサンボンバの楽しみの一つです。
上は2018年12月にボデガス・トラディシオンで開催されたサンボンバ。こちらはトラディシオンの中の美術館でのディナーも同日開催された特別な会です。(もちろん招待制)
サンボンバは古くは、日本でいうと長屋のような集合住宅でご近所さん同士がクリスマスソングを焚火の周りで歌い始めたことから始まったとされています。そこでどんどん地域性が加わり、もちろんシェリー(主にクリームシェリー)やアニス酒を飲みながら開催し、ボデガの中で特別なお客様を呼んだり、地域の人にボデガを開放して行ったりと多様化しました。
早くコロナ禍が収束して、今までのような皆で同じ歌を歌って、踊って楽しめるサンボンバができる日が戻ってくるのを願ってやみません。