3月20日(日)からセマナ・サンタ(聖週間)が始まりました。カトリックの宗教行事の一つで、スペイン全土で開催されています。特にアンダルシア州はセマナ・サンタが大規模なことで有名で特にマラガ、セビージャ、そしてへレスのそれがアンダルシア屈指のものと言われています。
ちょうどFestival de Jerez(フラメンコフェスティバル)の開催期間中くらいから夜になると街中ではパソの予行演習が見られます。
へレスパソは人力でこのように屈強なお兄様たちが担いでいます。日本だと「神輿だこ」ができている人たちがいますが、こちらではその予防でしょうか?皆さん首にクッションを付けています。
マラガでは日本のお神輿のようなスタイルでパソを担ぐのですが、へレスは日本の「山車」の中に人が入って担いでいる感じです。
パソはこのような感じで、キリストをはじめ聖書に出てくる登場人物の像が乗っています。
特にこのマリア像が乗っているパソ。近くから撮った写真は下の写真をご覧ください。
このシルバーの部分、本物のシルバーです。考えたくもないほどの重量になるはずです。それを冒頭の写真の屈強なお兄様たちが担いで歩くのです。
通常はだいたい17:00ごろから翌日の2:00ごろまで担いで街を練り歩くのですが、今週の木曜日と金曜日になると明け方までこの練り歩きは続きます。
これらのパソの前にはブラスバンド、そしてcapirote(カピロテ)と言われるとんがり帽子をかぶった人たち)が歩きます。この帽子はpenitencia(ペ二テンシア 償い、苦行の意味)のためにかぶると言われています。中にはキリストの受難を体現するためにはだしで歩く人もいます。25年ほど前までは男性のみこのとんがり帽子をかぶってパソと一緒に歩けたようですが、今では女性や子供も参加しています。
そして今へレスの街の中心部には、セマナ・サンタのパソを見るための桟敷席が用意されています。具体的な金額はわかりませんが、決して安くない金額を支払ってこれらの席を確保するそうです。この席に座ってパソを見ていた人たちがキリスト像が乗ったパソが通過するときに立ち上がり、そして帽子を脱ぐ姿がとても印象的でした。
この時期はボデガはもちろんのこと、色々なお店や企業が時短営業ないしお休みをします。ボデガツアーや観光はほどほどに、そしてのんびりと過ごしながら、こういったパソをみてスペインの文化の一つを味わうのにはとてもいい時期だと思います。
セマナ・サンタを見るために世界各国からの観光客が訪れることでも有名です。