アルカサル-王城- 青池保子(著)

青池保子さんという漫画家をご存知でしょうか?
私は学生の時の友達が「お母さんが好きな漫画なんだけど、面白いよ!」と『エロイカより愛をこめて』を貸してもらって初めて知りました。

代表作は先述の『エロイカより愛をこめて』(1976年)、『イブの息子たち』(1976年)、『エル・アルコン-鷹-』(1976年)など。いずれの作品も歴史や、政治的なパロディーが盛り込まれたもので当時まだまだ典型的な少女漫画しか読んだことがなかった私にとってはとても衝撃的なものでした。

私が読んだことがあったのは『エロイカより愛をこめて』の途中まででしたが、(39巻まで出ていたんですね!)つい最近ひょんなきっかけから『アルカサル-王城-』を読みました。
実はスペインに移住した2015年9月にペペの講演のために訪れたウルエニャ(ureña)という小さな村にあるアーカイブにこの本が置いてありました。
当時は「なんでだろう?」と思ったものの、そこまでアーカイブの持ち主の方に聞くスペイン語力がなくそのままになっていたこともありました。

先日たまたまヘレスにいらした方から、「スペインに来る前に母から『予習にこれを読むと良いわよ』と言われて、青池保子さんのアルカサルを読んでから来たんです」と聞き、さっそくダウンロードをしました。

こちらの話は残酷王(Pedro el Cruel)、もしくは正義王(Pedro el Justiciero)とも言われたペドロ1世(カスティーリャ王)をモデルにしたお話です。
ペドロ1世は幼少期にセビーリャ近郊の村、カルモナで育ち、セビーリャのアルカサルを完成させました。彼が所有する数あるお城の中でもセビーリャのアルカサルを好み、度々拠点をこちらに置いていたようです。

この単行本の8巻に度々ヘレスのアルカサルが度々出てくるようになります。
詳細はネタバレになってしまうので、控えます。
因みにところどころに1990年、92年ごろに青池保子さんがスペインに取材旅行に来た時の話が掲載されています。8巻の巻末のあたりにヘレスで取材をしたときの小話が掲載されています。そこに青池さんと同行の方が話しかけた『ヘレスの警官詩人』のエピソードが載っています。その話をペペにしたところ「その人、知っているかも…」と友達に連絡をし、5分もたたないうちにその人のフルネームを探し当ててきました。
恐るべしペペの記憶力と人脈、そしてヘレスの狭さ…。

もしかしたら少女漫画があまりお好きでない方や、男性は絵に抵抗感をお持ちになるかもしれませんが、歴史愛好家の青池保子さんの作品なのでストーリーもとても面白く、飽きることなく読み進めることができます。
これからの秋の読書にいかがでしょうか?
単行本は13巻で完結、その他『アルカサル-王城- 外伝』があります。

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